現地レポート: Busride to Kroonstad

現地レポート: Busride to Kroonstad

SAPESI SAのチームはFree StateにあるKroonstadの教育区教員能力開発センターを訪問しました。
9つの州のうち、Free Stateはちょうど南アのほぼ中央に位置し、開放された空間と大規模な農場が特徴です。我々SAPESIはFree Stateをモデルケースに起用し、図書館車がよりよく運営されるために色々な活動を行っております。
今回、教育区教員能力開発センターのMrs. Sharon Swanepoelが率いる図書館車チームに同行し、2つの小学校を視察してきました。まず、我々はKroonstadの中心から車で約1時間のところにあるTswelopelo小学校に向かいました。学校の周辺の道は舗装されておらず、あたりは見渡す限りの草原です。

 
そこで、校長先生を務め、たった一人で自らGrade R(プレ小学生)からGrade 6(小学6年生)を教えるMrs. S. Masukelaに会いました。もともと70人近くの生徒がいた学校は生徒数が減り、現在は12人の異なった学年の生徒が1つの教室で机を並べ勉強をしていました。我々が到着ししばらくすると、子どもたちは自分たちで図書館車に入り、本を選び始めました。最初は、本を手に取っては戻しと迷っていた生徒も、図書館車に同乗している司書に助けを借り、自分の読みたい本を見つけていました。全員本を選び終わった後、数人の生徒が選んだ本を緊張しながらも我々に読み聞かせてくれました。

2つ目の学校は、最初の学校からまた舗装されていない悪路をさらに1時間進んだ、農場に囲まれた土地にありました。日本では考えられない電気もトイレも無いプレハブ建て1つの校舎です。図書館車が学校に近づくと、生徒の1人が走って来てゲートを開けてくれました。ここの生徒数は全部で13人、1つ目の学校と同様、Mrs. W. Dibuseがたった1人で複数の学年を教えている学校です。図書館車から本を選び終え、学校から下校する生徒たちは別れ際、我々に非常に良い笑顔を見せてくれました。

現在、南アフリカには全部で45台の図書館車がたくさんの小学校を回り、図書室がなく、本に触れる機会が少ない子どもたちに本の貸し出しをしています。今回訪問したFree State、Kroondstadの図書館車を運営するチームも、そんな子どもたちの為に、とても意欲的、積極的な活動を見せてくれています。

 
南アフリカの土地は想像以上に広く、国全体に同じレベルの教育が提供できているわけではありません。特に町から遠く離れた学校の校舎の設備は、図書室はおろか、先に述べた通り、電気、水、トイレも無い学校もあり、お世辞にも整っているとは言えません。しかしそんなところでも、子どもたちの教育のために尽力している先生方がおられ、SAPESIはそんな先生をサポートするため、そして何よりも南アフリカの子どもたちの計り知れない将来の為に、これからもお手伝いしていきたいと思っています。

(現地ボランティアスタッフM)