なぜ、南アフリカで移動図書館車なのか?
なぜ、南アフリカで移動図書館車なのか?
皆様が必ず「なぜ南アフリカで移動図書館車?」 を持つでしょう。一方では、先進国と同等の技術力や経済力、そして情報インフラを持つ「Rich」な南アフリカと、1日僅か1米ドル以下の生活水準で、生活インフラも無く、充分な仕事や教育などを受ける機会ができない、最低保障以下の生活をせざるを得ない「Poor」な南アフリカ。そんな両極端な二面性が常に混在している国だからこそ、移動図書館車が大活躍できるのです。
アパルトヘイトの崩壊により、法の下では全国民が基本的人権を尊重し、民主的な国家となりました。
しかし、経済面や教育面で見てみると、アパルトヘイト崩壊時の都市と過疎部の経済格差や教育格差は極めて大きな隔たりがあります。当然、過疎部は全てのインフラが進んでいないので、人生のスタートラインが最初から全然違うのです。その結果、南アフリカの格差社会は世界にも類をみないほど、格差が著しいのです。
その格差を縮小させる為に政府としてできることは、経済の活性化と、初等教育の充実化。経済の活性化は先進国並の技術力と豊富な鉱山資源やレアメタルを武器に世界を相手にすることができます。
しかし、教育現場は未だにスタートラインから大きな隔たりがあります。私立の学校は、欧米や日本と同等、あるいはそれ以上の教育環境や整備が整っており、そのような学校から、多くの有能な人材やプロスポーツ選手が排出しています。
ただ、圧倒的多数の学校は、ようやく校舎は整備できつつも、中身の教科書やノート、給食設備や教育ツールが津々浦々まで浸透が行き渡っていないのが現状です。
私たちは、そういう「Rich & Poor」「先進国のような環境と途上国のような環境が隣同士で生活しあっている現状」の南アフリカを目の当たりにして、少しでも教育環境が整備できる為に、初等教育の質を高める為に、移動図書館車というツールを使って、初等教育支援の活動をはじめました。
また、南アフリカ政府もこの教育の問題を、最重要課題として取り組んでいます。政府の方針と、私たちの活動趣旨が合致したことにより、移動図書館車プロジェクトが始まりました。
4つの活動背景こそが、私たちが南アフリカで移動図書館車プロジェクトをはじめる大きな理念であり、目標でもあります。世界的に見ても、類をみない技術力と英知が集結していながら、このような重要な課題を抱えている南アフリカだからこそ、私たちの理念や目標が必ず現実に達成できるだけの力があると信じて、活動をしています。
《4つの活動背景》
1.南ア政府、初等教育省の方針である、 「読み書き・そろばん」の改善 → 識字率の向上
2.教師・児童が本に触れる機会が無いので、本に触れ合うきっかけを提供する。(学校や家)
3.同乗司書による教師への図書使用のアドバイスを実施することにより、本が教育ツールとして活用される。
4.政府も重要視している、部族語の伝承。